WH社製AP1000を選定 ブルガリア、コズロドイ7号機として

東芝傘下のウェスチングハウス(WH)社は1日、ブルガリアで建設計画中のコズロドイ原子力発電所7号機として、同社製AP1000が正式に選定されたと発表した。昨年12月に同国の閣議決定により、ブルガリア国営エナジー・ホールディング(BEH)社、コズロドイ原発会社、およびコズロドイ原発新設会社がWH社との独占協議に入ったあと、ブルガリアの全政党も同社との協議を実施。今回、AP1000の採用でBEH社ら3社が株主間合意に達したもので、WH社がこれに同意・調印した。

この合意により、WH社はブルガリア政府と3対7の出資比率のプロジェクト会社を将来的に設立する。また、2023年までの運転開始を目指した7号機の機器と設計・エンジニアリングおよび燃料を供給するほか、建設会社を選定するため、来年末までに欧州連合およびブルガリアの公的調達規則に従って競争入札文書を交付予定。このプロセスにはブルガリアも含めて世界中の建設企業が参加可能だ。

ただし、ブルガリアの国営BTA通信によると、今回の合意はこれまでのステップを承認するために調印されたに過ぎず、法的拘束力を持たない。エネルギー省の発表でも、D.ストイネフ大臣が同計画で最も重要な項目、すなわち、メディアが53億ドルと予測する原子炉価格と発電電力の価格を計算する財政モデル、資金の貸方銀行、設計・建設・供給契約――が現時点で未定だと指摘。これ以降に調印される合意文書と同様、10月の総選挙で発足する新政権の承認が必要だと明言しており、その旨を明記した条項も今回の合意文書に盛り込んだ。新しい内閣の合意がなければ同文書は発効せず、すべての話が無かったことになるとしている。


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