人材の維持など議論 原子力小委 電工会などが意見総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会(委員長=安井至・製品評価技術基盤機構理事長)は7日、技術・人材の維持・発展に関して、日本電機工業会と電気事業連合会より意見を求め議論した。 その中で、電工会は、原子力プラントの安全性確保・向上のためには、これまでに蓄積された技術を継続的な建設・保守を通じ伝承していくことが必須であるとし、維持できる技術・人材が限定的な海外新設や廃炉対応のみならず、国内での再稼働、新設プラント建設を急ぎ、実務経験を継続していく必要を訴えた。海外新設については、基本計画・基本設計、詳細設計、製作、調達、据付、試運転、検査の各段階ごとに、プラント安全性向上の技術維持可能性、サプライチェーンの課題を整理し、海外現地企業活用の必要を示す一方で、地場産業への技術支援だけでは国内企業に十分な実務経験機会が確保できないとしている。さらに、電工会は、国内プラントメーカーの年齢構成を例示し、今後、10〜15年で複数プラントの建設・保守を経験した技術者がほぼ退職する見通しから、経験者と若手とが協働で一連の業務に取り組むよう、遅くとも5年以内には設計に着手すべきなどと、将来的な技術維持に警鐘を鳴らした。 また、電事連は、通常運転時や重大事故時に、電力、プラントメーカー、工事会社などが一体となって対応する原子力発電の安全確保体制を示したほか技術・人材の課題として、「将来の原子力のビジョン」が見えなければ、短期的にはメーカーの経営計画頓挫、中長期的には人材離れにつながることなどを危惧した。 これらを受け、資源エネルギー庁は、5月に取りまとめられた自主的安全性向上に関するワーキンググループの提言も踏まえ、「不断の安全性向上、技術・人材の維持・発展」との検討項目を掲げ、今後も、小委員会で議論していくこととした。 お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで |