核物質管理を一局に集約 米規制委、組織を一部改編

米原子力規制委員会(NRC)は7日、2部門に分けて規制していた核物質と放射性廃棄物の管理プログラムを「核物質安全・保障措置局(NMSS)」で一元的に規制することになったと発表した。この組織改編により、諸経費の削減と管理スタッフの配分改善が図られる上、NRC内部の調整、作業量バランス、外部対応における柔軟性が改善されると強調。10月5日付けで発効するとしている。

NRCが創設された1974年当時、NMSSは核物質およびその再処理や輸送、取り扱いに係わる施設の規制を担当していた。具体的には医療用放射性同位体を扱う施設、放射線源を搭載したゲージなどの機器、廃止措置と環境復旧等に関連する廃棄物管理プログラムをカバー。この中には放射性廃棄物の処分と核燃料サイクルにおける全フェーズも含まれていた。

06年になり、NMSSは使用済み燃料の再処理、貯蔵、処分に関する許認可活動の拡大を促進。こうした変化に対応するとともに作業効果を保証するため、NRCは新たに「核物質・環境管理局(FSME)」を設置。核燃料サイクル施設や高レベル廃棄物処分、使用済み燃料貯蔵、核物質輸送を除いた多くの業務をFSMEに移管した。

しかし昨秋、NRCスタッフは作業部会を設置してこれらの部門の組織構造をレビュー。廃棄物戦略が長期貯蔵と処分にシフトし、今後、多くの原子力発電所が廃止措置に移行していくことから、これらに集中して取り組むためにはFSMEをNMSSに統合し、その担当プログラムをNMSSに戻すことが適切と勧告していた。


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