省庁の大幅再編でエネ省を創設 カザフスタン

カザフスタンのN.ナザルバエフ大統領は6日、既存の10省を廃止する一方、原子力を管轄するエネルギー省を含めて新たに5省を設置するなど省庁を大幅に再編する政令を発表した。

政権システムの効率性向上と合理化が目的だと説明しているが、エネルギー大臣については、ウラン生産量で世界第1位という同国の原子力産業を束ねる国営企業カザトムプロム社からV.シュコルニク総裁(=写真)(65)を抜擢。国内油田の生産量低下や、ロシアとウクライナへの輸出低迷がカザフの経済成長にも影を落としていることから、エネルギー関係部門全体を1つに集約することでその立て直しを図る考えと見られている。

新設のエネルギー省には、廃止が決まった石油・天然ガス省と環境・水資源省から天然資源管理、廃棄物処理、再生可能エネルギー開発、国家開発政策管理等に関する機能と権限を移管。また、同様に廃止される産業・新技術省が受け持っていた電力・原子力関係の国家政策実施責任を負うことになる。

このほか、カザトムプロム社の新総裁には、環境保全相だったN.カッパロフ氏の就任が決まった。

なお、ロシアの原子力総合企業ロスアトム社は6日、カザフスタンにおける出力30万〜120万kWのロシア型PWR(VVER)建設に向けて両国の協力協議が佳境に入っていることを明らかにした。

同社は今年5月末、カザトムプロム社とこの件に関する協力覚書を調印。現在、その内容に基づいて、両社の作業部会が協力の枠組となる二国間協定の案文策定作業を進めている。5日にカザフのアスタナで開催した第7回会合では、原子炉の設計、建設、起動、運転、廃止措置等に関する両社の合意事項を実行に移すため、必要な手順すべてに精力的に取り組んでいる点を強調した。


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