AP1000の建設で覚書 米国のブルー・キャッスル計画米国中西部のユタ州で同州初の原子力発電所導入を計画しているブルー・キャッスル・ホールディング(BCH)社は20日、グリーンリバー市でウェスチングハウス(WH)社製AP1000×2基を建設していくための協力覚書(MOU)を同社と結んだと発表した。現時点で建設・運転一括認可(COL)は申請しておらず、差し当たり事前サイト認可(ESP)申請に向けた準備作業を進めているが、BCH社では「クリーンで電力価格の予測が可能かつ長期的に発電できる原子力発電の開発プロジェクトは今や、新たな段階に移行した」と明言している。 BCH社が原子力発電所の建設で検討を開始したのは2007年のこと。地元州の公益事業委員会も州のエネルギー統合資源計画の選択肢として原子力を考慮する必要性を認めているが、国内有数の乾燥地帯であることから、冷却水用の水資源使用権を巡り環境保護団体が12年にBCH社と州政府を提訴。昨年末に同プロジェクトによる水資源の利用を認める判決が下ったばかりだ。 WH社との覚書では、ブルー・キャッスル原子力プロジェクトを実現に導くために両社が共同で特定する活動範囲を明記。具体的には、原子炉の安全性に関する許認可や設計・エンジニアリングと資材調達および建設に加えて、原子炉2基の据え付けと起動、試験、原子炉燃料、燃料交換、運転とメンテナンス――となっており、将来的にWH社が同プロジェクトのエンジニアリング・資材調達・建設(EPC)契約を受注することになると見られている。 計画では220万〜300万kWの原子力設備を24年以降に商業運転入りさせる予定で、運転期間60年を想定。この間1000名分の正規雇用が見込めるほか、建設期間中には2500人分の雇用が創出されるとの見通しを示している。 お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで |