英仏ステークホルダー参加に学ぶ 電中研 意思決定プロセスに多様な関与者

菅原慎悦・電力中央研究所社会経済研究所主任研究員は2日の原子力委員会で、立地地域におけるステークホルダー参加について、海外事例を中心に報告した。

フランス地域情報委員会(CLI)は、2006年に原子力安全及び透明性に関する法律(透明化法)で原子力施設周辺に設置が義務づけられており、メンバーには地方議員のほか環境保護団体や労働組合を含むことが規定されている。原子力施設の立地・増設・変更時に諮問は行われるが同意権限を持たず、トラブル後の運転再開時にも意見聴取はされるものの最終決定権限は仏原子力安全規制当局とされる。情報共有と議論の場ではあるが、原子力施設の建設や運転に関する意思決定を行う場ではない。

英国サイト・ステークホルダー・グループ(SSG/LCLC)の設置は法的義務はなく、地元の政治家や環境保護団体などから成る。エネルギー気候変動省(DECC)の政策など策定時には決定前の段階で複数案の選択肢を提示された上で、全てが反映されるとは限らないが意見を求められる。

日本においても、原子力業界以外の意見を適切に取り入れた自主的リスク管理体制と関与者の多様性を確保して地域社会に係る論点を考慮しながら、高レベル放射性廃棄物(HLW)最終処分などの地域における合意形成について考えていくべきとした。


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