高精度の線量マップが可能に 原子力機構 東大他 無人ヘリ搭載型γカメラ開発

日本原子力研究開発機構は5日、古河機械金属、東京大学、東北大学と共同で、無人ヘリに搭載し上空から放射性セシウムの分布を可視化するガンマカメラの開発に成功したと発表した。

福島第一原子力発電所事故後の放射線モニタリングで、人や車が立ち入ることの困難な場所については、上空からの測定が行われているが、位置分解能が数十〜数百mと大きく、詳細な線量マップ作成に向け、より高精度化が求められていた。

今回の研究開発では、東北大学と古河機械金属が共同開発した結晶「GAGG」で高感度の放射線測定を、さらに、「APD」(アバランシェ・フォトダイオード)を組み合わせることで無人ヘリに搭載可能な小型軽量化(10kg以下)を実現した。このガンマカメラ開発により、山林を含む広範囲の放射性セシウム分布の可視化、周辺からの影響を受けない可視的かつ高精度の放射線量マップの作成が可能となり、除染箇所の特定や、除染効果確認作業の効率化に結び付きそうだ。

試作されたガンマカメラは、浪江町の河川敷で実証試験(=写真)を行い、位置分解能10mの測定性能が確認されており、今後は、試験結果を踏まえて改良を施し、位置分解能1m以内の高精度化を図るなど、実用化を目指すこととしている。


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