[原子力産業新聞] 2014年9月11日 第2734号 ＜4面＞

高解像度で痛くない検査　Ｅｌｍａｍｍｏ　乳房専用ＰＥＴ装置

島津製作所は４日、乳房専用陽電子放射断層撮影（ＰＥＴ）装置「Ｅｌｍａｍｍｏ（エルマンモ＝写真左）」の販売を開始した。

うつ伏せの状態で直径１８５ｍｍの検出器ホールに乳房を入れるだけで検査でき、乳房を挟むマンモグラフィや従来の乳房専用ＰＥＴ装置のように検査時に痛みを与えない。また、全身用ＰＥＴ／ＣＴ装置と比較し、解像度を約２倍、感度を約１０倍に向上。従来装置では難しかった小さな乳がんの診断も可能となった。デザインには女性の意見を採り入れ、より安心・安全な受診ができるよう配慮した。

同装置は、ＮＥＤＯらと共に２００６年度から４年間実施した「分子イメージング機器研究開発プロジェクト／悪性腫瘍等治療支援分子イメージング機器開発プロジェクト／悪性腫瘍等治療支援分子イメージング機器の開発プロジェクト」の成果をもとに島津製作所が製品化し、このほど薬事承認（製造販売承認）を取得した。

中本裕士・京都大学大学院医学研究科放射線医学講座（画像診断学・核医学）講師（＝写真上）は同日の記者会見で、飛躍的に向上した解像度を画像で示し、乳がん早期発見に寄与するばかりでなく、早い段階での抗がん薬剤効果判定を可能にし、効率的な治療につながると自信を見せた。

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