KPMGレポート アジア太平洋 原子力発電の位置づけ 役割の重要性を認識 積極的な開発計画 資金調達など課題も

KPMGジャパンは、同アジアパシフィックによる「アジア太平洋のエネルギー政策の形成における原子力発電の位置づけ」と題するレポートの日本語訳を発行した(=写真)。アジア地域で多くの国は原子力発電が将来的に重要な役割を果たすと考えている一方、「安全性と経済的な実行可能性が重要な課題」と指摘した。資金調達面で政府の役割が重要とし、より重要な役割として長期的な国民の支持につなげるという面から政府が「原子力セクターに対する人々の認識を高め、知識を深めることに注力する必要がある」としている。

報告書は、アジアにおける原子力発電に対する需要の増大に着目し、現在の同地域における原子力発電市場の概要を紹介。また、原子力発電の開発を検討している国々にとって主要な課題の一部である安全性と資金調達にも焦点を当てている。

今回の報告書の内容としては、(1)原子力発電を巡る世界の状況、(2)原子力発電を巡るアジアの状況、(3)原子力発電の新設に伴う経済性と資金調達、(4)安全性とフクシマの影響。またケーススタディ−英国に見る原子力発電への回帰。コラムとしてフクシマ後の原子力発電と小型原子力炉の潜在的役割の2つテーマを盛り込んでいる。

原子力発電を巡る世界の状況について報告書は、エネルギー需要の増加著しいアジア諸国で「多くの国が原子力発電を確実な発電を支え、かつ経済的、政治的状況の変化に対応する柔軟性が高いバランスのとれたエネルギーミックスの重要な一部として位置付け、検討を続けている」との認識を示した。

また2035年までを視野に入れると、中国やインド、ロシアが野心的な原子力発電の新設計画を有し、世界とりわけアジア太平洋地域で積極的な原子力開発の動きがみられていることを示している。


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