学術会議 コミュニケーション促進を 原災後の信頼回復で提言

日本学術会議は11日、「科学と社会のよりよい関係に向けて―福島原発災害後の信頼喪失を踏まえて―」と題する報告書をとりまとめ、科学と社会のあり方の改善にむけ、科学者集団の取り組みなどを提言した。日本学術会議第一部福島原発災害後の科学と社会のあり方を問う分科会(委員長=島薗進・上智大学神学部特任教授)がまとめたもの。

提言の中で、科学者集団について「科学の成果についての社会的なコミュニケーションを促進すべきである」とし、科学が社会関係や人間の生き方の総体に大きな影響を及ぼす点をあげている。また「科学と社会のコミュニケーションを深めるうえで、日本学術会議の役割は大きい。政府・行政に対する関与とともに、市民社会との関わりに力を入れるべき」とした。

さらに学術会議に対し「日本学術会議は、文系と理系の分断を超えた科学技術についての『新たな社会的リテラシー』の検討を行い、政府はその検討を踏まえ、大学教育とりわけ学部後期及び大学院においてそれを実施していくべき」と提言している。


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