新設計画のDIPで方針表明 フィンランドフィンランドで原子炉の建設を計画している2社が提出した「原則決定(DIP)」関係の申請について、原子力を管轄する雇用経済省(TEM)のJ.バパーブオリ大臣は15日、フェンノボイマ社によるDIPの補足申請は条件付きで政府が承認すべきだとする一方、テオリスーデン・ボイマ社(TVO)によるDIPの有効期限延長申請については却下を進言するとの方針を発表した。 この見解は同日の記者会見で明らかにされたもので、同相は18日付けで政府に正式に提案を行うと言明。現行DIPの有効期限の5年延長が認められなかった場合、TVOは2015年6月末までにオルキルオト原発4号機増設計画の建設許可を申請しなければならなくなる。 両社ともに新設計画のDIPを2010年に政府と議会から取得したが、フェンノボイマ社の場合、160万kW以上と設定していたハンヒキビ1号機の出力をその後120万kWに変更。原子炉メーカーも現行DIP申請時の候補企業として記載のなかったロシアのロスアトム社に決定したことから、周辺環境への影響等、DIPを補足する改定版の環境影響評価(EIA)報告書を2月にTEMに申請していた。 これに関してTEMは、新設計画の所有権の少なくとも60%をフィンランド企業が保有しなくてはならないという条件を建設許可発給の前提にすると明言。議会がこの提案を受け入れた場合は、将来の政権に対してもこの決定が政治的拘束力を持つものにするとした。同計画の入札の際、ロスアトム社は34%の出資を約束して契約を獲得。TEM提案は最近のウクライナ危機を背景に、このような計画でロシアと協働することへの懸念が高まったことを反映したと見られている。 一方TVOは、DIPの有効期限延長を希望する理由として、3号機の完成が大幅に遅れている点を強調。規制当局は先月、「安全上の問題はない」としてこの申請を認める判断を下していた。 しかしTEMは、「新たな期限を設定したところで、3号機計画が不明確な現状では、投資判断から建設許可の申請に至るまでTVOが4号機計画を円滑に進められるか確実に評価出来ない」と指摘した。現行DIPは電力市場の機能や競争に大きな影響を及ぼすもので、建設許可申請期限が延びることで同計画の許認可プロセスが予測不可能になることへの懸念を表明。建設計画の実現性やスケジュールに多大な不確実性をもたらすようなDIPを一事業者に与えることはできないと説明した。 お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで |