2年以内に正式契約締結へ ヨルダンの導入計画で露が協定

ロシアの原子力総合企業ロスアトム社は9月22日、ヨルダン初の原子力発電所建設計画に関するプロジェクト開発協定を傘下のルスアトム・オーバーシーズ社を通じてヨルダン原子力委員会と締結したと発表した。今後1年半から2年の間に正式な建設契約を結ぶ道筋を付けるためのもの。100万kW級のロシア型PWR(VVER)を2基、ザルカ地区のアムラで建設する計画の第1段階における両者の義務事項を記している。

エネルギーの97%を輸入に依存するヨルダンは、原子力発電所を国内経済の成長と海水の脱塩に役立てる方針。昨年10月に、100億ドルと言われる総工費の49%出資を提案したロスアトム社傘下のアトムストロイエクスポルト(ASE)社を発注先に選定した。ただし、その際ロシア側は、原子炉の冷却に必要な水資源の確保をヨルダン側に要請。ヨルダンは二転三転させていた建設候補地を最終的に首都アンマンの東85kmに位置するアムラに決定していた。

今回の協定では(1)水冷却システムの設計(2)実行可能性調査(3)サイト評価プロセスの監督(4)環境影響評価――の実施が明記されており、これらは24〜30か月で完了する予定。経費はすべてヨルダン政府の支払だが、実際の作業は技術を有するロシアの専門家のみが行うことなる。

建設サイトについてロスアトム社のS.キリエンコ総裁は地震の影響が少なく地層も良好だと説明しており、「両国の専門家達が協力して非常に良い場所を見つけた」と評価。水の供給に関しても、「分析作業を通じて我々は完璧に実行可能な解決方法を確認出来る」と述べるなど、ヨルダン政府がこの課題の解決にこぎ着けたことを示唆した。

資金調達問題については、ヨルダン政府が「その他の国の投資家を含めて幅広く門戸を開くという健全かつ最新式の判断を下した」と指摘。ロスアトム社もエンジニアリング会社としての参加に加えて投資参加する考えだが、同プロジェクトを株式支配するつもりは無いとし、あくまでもヨルダンの所有原発となる点を強調している。


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