北朝鮮の核活動禁止案採択 IAEA総会 多彩なサイドイベントも 安全で確立した管理技術を支援 科学フォーラム 放射性廃棄物に高い関心

9月22日より開催されていた第58回国際原子力機関(IAEA)総会が26日、閉幕した。本会議では、イスラエルに対し核拡散防止条約(NPT)加盟やすべての核施設をIAEAの査察の対象にすることなどを求める決議案について、同案を提出したアラブ諸国をはじめ、ロシアや中国など45か国が賛成したが、日本を含む58か国は反対票を投じ、否決された。また北朝鮮にすべての核関連活動を停止することなどを求める決議案が全会一致で採択された。

会期中には、各国の関係者によるバイ会談や、多岐にわたる原子力分野をテーマとしたサイドイベントが行われ、加盟国間で情報を共有した。

国際原子力機関(IAEA)総会開催中の23日と24日、ウィーンの同会場で科学フォーラム「放射性廃棄物への挑戦――安全で持続可能な解決のための科学技術」が開催された。

天野之弥IAEA事務局長は開会挨拶で、放射性廃棄物に関して安全かつ有効に管理するための確立した技術は存在することを強調し、IAEAの役割は加盟国が原子力技術的に安全で着実な解決策を採用するのを支援することだとした。

A.マクファーレン米原子力規制委員会(NRC)委員長や林道寛日本原子力研究開発機構バックエンド推進総括アドバイザーなど、科学者や政策決定者らが講演や議論を行い、放射性廃棄物管理における「揺りかごから墓場まで」の包括的で統合的なアプローチの重要性について探求した。

同フォーラムではこれまでにがん、食物、水、環境保護などをテーマとしてきた。放射性廃棄物をテーマとしたのは14年ぶり。開会式会場は満席で聴衆の高い関心が伺えた。


お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで