国際貢献など議論 原子力小委 米専門家が期待表明

総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会(委員長=安井至・製品評価技術基盤機構理事長)は2日、世界の原子力平和利用への貢献について議論した。

会合では冒頭、米国科学者連盟理事長のチャールズ D.ファーガソン氏によるプレゼンが行われ、同氏は、日本に対し、(1)安全を最優先にする(2)複数の層における安全管理を行う(3)世界の平和を維持するために核不拡散を推進する(4)気候変動と戦う(5)エネルギーセキュリティを向上させる(6)経済競争力を維持する(7)模範を示すことにより新興国を支援する――ことで、リーダーシップを発揮していくよう求めるなどした。

続いて、資源エネルギー庁が示した論点整理の中では、日本にとっての原子力国際協力の意義として、(1)核不拡散・核セキュリティ分野における積極的な貢献(2)福島第一原子力発電所事故の経験を活かした知見の共有(3)成長戦略の柱――が掲げられた。

これに対し、事業者として出席した委員からは、海外より高まる期待の一方で、国内の基盤整備やグローバルスタンダードとの整合性が不十分とする指摘や、安全性向上に努めているにもかかわらず、再稼働できないことに対する諸外国からの疑問が出ているといった声もあった。

また、国土交通省の水道に関する産官学連携の取組を例に、技術とメンテナンスとを統合させた国際貢献の必要など、インフラ輸出の観点からの意見も出された。


お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで