ウィルファ1で運転認可15か月延長 英国

英国原子力デコミッショニング機構(NDA)は9月30日、同機構がウェールズ地方アングルシー島で所有するウィルファ原子力発電所(=写真)1号機(GCR、50万kW)が2015年12月末まで、15か月間の運転期間延長を原子力規制局(ONR)から許可されたと発表した。

同炉は世界で稼働する旧型ガス冷却炉(マグノックス炉)としては最後の1基で、1971年に営業運転を開始。当初、閉鎖が予定されていた2010年以降、再三にわたり運転期間の延長が許されており、10年から15年までの期間に同炉がもたらす収益は7億8500万ポンドにのぼる計算だ。同炉はまた、すでに閉鎖された2号機とともに、かつてはウェールズ地方の電力需要の半分を賄っていたことから、NDAは「地元住民にとっても良いニュースだ」と歓迎している。

同炉の運転期間延長許可に際してONRは、同炉を操業するマグノックス社が13年9月に提出した定期安全審査報告書(PSR)を精査した。PSRは事業者が10年毎に提出を義務付けられているもので、24年までの10年間に同炉で発電と燃料の抜き取り、および初期段階の廃止措置を安全に実施するための検査結果を網羅。マグノックス社はその際、最新の運転認可が切れる14年9月以降、15か月間の運転期間延長申請を同PSRに盛り込んでいた。

同炉では現在、改善が必要とONRが特定した部分について、マグノックス社と合意に至った作業プログラムが進展中。ONRはPSRを評価した結果、同炉を15年末まで操業する上で安全上の重大な課題は見受けられなかったと明言している。NDAとしては延長された15か月間を同炉にとって最後の運転期間と認識。それ以降は、閉鎖済みのその他のマグノックス炉と同様、3年を要する燃料の抜き取り作業を始める計画だ。


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