ロシアとの協定案 仮調印 カザフの軽水炉建設計画

ロシアの原子力総合企業ロスアトム社の1日付け発表によると、カザフスタンとロシアの両国政府はカザフにおけるロシア型PWR(VVER)の建設と運転に関する政府間協力協定案に仮調印した。建設サイトや原子炉の出力、および建設スケジュールといった具体的な項目は正式な建設契約までに特定する予定だが、カザフ初の軽水炉建設計画は実現に向けて、着々と準備作業が進んでいる。同国では出力15万kWの高速炉が1999年まで稼働していた。

協定案への仮調印はカザフのアティラウで9月30日、ロスアトム社のS.キリエンコ総裁とカザフのV.シュコリニク・エネルギー大臣が両国の地域間協力フォーラムの枠組の下で行った。

案文には契約前作業の実施計画が記されており、建設プロジェクトにおける採用技術や資金調達、経済性などのパラメーター設定に加えて、インフラ分析や開発計画の作成、一括契約と下請け契約の準備などを行う。また、この契約前期間中に、建設工事の開始に必要な許認可の取得手続きや設計・調査活動、関連作業文書の作成を実施するとした。

同協定案ではさらに、適切な規制枠組の整備や人材教育、廃止措置といった面での協力を提示。完成原発による発電電力の販売についても、両者が共同で検討する意志を表明したとしている。

両国は今年5月、同プロジェクトに関する協力覚書に調印しており、出力30万〜120万kWのVVERを建設するだけでなく、同原発用燃料の加工や構成部品製造をカザフで行う可能性についても協力の意志を明記していた。

また、国際原子力機関(IAEA)の第58回総会会期中の9月23日には、ロスアトム社とカザフの国営原子力企業カザトムプロム(KAP)が原子力発電促進分野での協力覚書に調印。原子力産業界で必要となる専門家の高等教育に若い世代を引き込む共同プログラムの実施等で合意している。


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