設備ネットワーク活用を 粒子線がん治療 高額コスト下げる技術も

国際原子力機関(IAEA)総会で9月25日に行われたサイドイベント「粒子線がん治療――生物学と技術」に今井礼子放射線医学総合研究所(NIRS)重粒子医科学センター病院医長(=写真)が登壇した。

今井医長は、臨床試験の結果とともに副作用が少なくX線治療が困難な深部のがんにも適用できる重粒子線治療の特性について説明。高額な設備や治療がネックだが、技術開発によりコストは下がりつつあるとした。また、各国の重粒子線設備ネットワークの利用も有効だとした。

また、イタリア国立ハドロン治療センター(CNAO)のP.フォサッティ医師も登壇し、粒子線治療は必ずしも全てのケースに対し最も有効な手段ではないとしながらも、がんの進行に顕著な抑制が見られる例などを紹介した。

11月11日から14日までIAEAで開催される粒子線治療会議では、さらに粒子線治療分野での最先端技術の進展や臨床研究などについて議論を深め、報告書をまとめる。


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