ベトナムの規制体制を評価 IAEA

国際原子力機関(IAEA)は9日、様々な国の原子力規制の専門家8名で構成されるピア・レビュー・チームがベトナムで10日間の総合的規制評価サービス(IRRS)を完了したと発表した。

2009年の審査時にIAEAが提示した勧告と示唆がどの程度、同国の原子力安全・放射線防護規制の枠組に反映されたかを検証するフォローアップ・ミッション。同チームは暫定評価の結果として、「かなりの進展が見られたが、いくつかの重要な勧告については一層の取り組みが必要」との見解を表明している。

すなわち、(1)規制上の意志決定プロセスに効果的な独立性を持たせる緊急の取り組み(2)研究炉や既存の放射線設備の活動を規制するための追加資源(3)「原子力発電インフラ開発のマスター計画案」の完成と実行(4)「国家原子力緊急時対応計画案」の完成と実行――などである。

原子力発電の導入を計画するベトナムでは09年にロシアが南東部ニントゥアン省フォック・ディン地区の2基、翌10年に日本が同省ビン・ハイ地区の2基で建設協力することが確定。その後、様々な準備作業が進展中だが、IAEAの天野事務局長は今年1月に同国を訪問した際、「原子力発電の開発準備で時間枠は主要ファクターではない」と述べ、同国には焦らず注意深く準備を進めるよう勧告していた。


お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで