アレバとEDFのCEO交代へ 仏国

仏アレバ社は20日、L.ウルセル社長兼最高経営責任者(CEO)(=写真上)が健康上の理由により退任する意向を表明したと発表した。

同社株の8割以上を保有する政府にはかねてより伝えていたもので、最良の形で後任体制に移行可能となるまで同CEOは現職に留まる考え。同社の運営を監督する監査役会は22日にも会合を開き、次の総会まで同社を健全に機能させるための必要方策を取るとしている。

ウルセル氏は「トップとしての責務を譲り渡さざるを得ない状況となり、治療に専念することにした」とコメント。企業再建という難しい状況の中でアレバのチームとともにあったことは誇りであり、彼らの今後の成功を確信していると述べた。

同氏は2007年にアレバNP社の会長兼社長として迎えられた後、11年6月にA.ローベルジョン氏の後を引き継いでCEOに就任。同社の再建計画を進めていた。

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未確認の報道によると、仏国のF.オランド大統領は15日、フランス電力(EDF)の会長兼CEOとして電機・航空宇宙・軍需事業大手であるタレス・グループのJ-B.レビィ会長兼CEO(59)(=写真下)を指名した。現職のH.プログリオ会長(65)は11月22日の任期切れをもって退任すると見られているが、同会長が議長を務めるEDF理事会は16日、「株主総会を11月21日に開催する」と決定。レビィ氏を含む役員候補の提案について票決を行うと明言している。

EDFは欧州最大の電気事業者だが、株式の約85%は政府の保有。仏国で稼働する原子炉58基のすべてを所有・操業しているほか、子会社のEDFエナジー社は英国の稼働中原子炉16基のうち15基までを所有するとともに、同国で20数年ぶりの新設計画も進めている。

プログリオ氏は原子力推進派だったN.サルコジ前大統領の指名により2009年に会長職に就任しており、オランド大統領が公約した「2025年までに原子力シェアを50%に削減する」政策には真っ向から反対していた模様。レビィ氏の指名は、この政策を盛り込んだエネルギー移行法案が国民議会で承認された数日後に浮上した。

レビィ氏は仏国の理工系エリート養成用高等教育機関であるエコール・ポリテクニーク卒業後、通信事業者のフランス・テレコムに入社。2年前にタレスに迎えられる以前は通信事業者大手のビベンディで会長兼CEOを務めたが、エネルギー関係事業の直接経験はないと言われている。


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