原発建設契約の機会模索 ロシアが欧州に拠点設置

ロシアの原子力総合企業ロスアトム社は14日、欧州で原子力発電所の建設契約獲得の機会を本格的に模索していくため、仏国のパリに地域センターを設置したと発表した。

名称は「ロスアトム・フランス」で、原子力発電開発の国際展開促進用マーケティング会社として2011年に起ち上げたルスアトム社の国際ネットワーク子会社という位置付け。同社がチェコのプラハ、ウクライナのキエフ、南アのヨハネスバーグ、およびシンガポールに設置した地域センター・ネットワークの1つとなる。

主要任務は欧州の原子力企業と互恵的な連携関係を構築し、新たな国際的事業チャンスを追求すること。顧客の期待と要件に応えていくため、可能な限り緊密な立場を確保していく考えだ。

ロスアトム社のK.コマロフ副総裁は、仏国での地域センター設置は世界市場における同社のプレゼンス強化で重要な節目となるだけでなく、仏国およびその他の欧州企業と協力的な関係を築くための論理的展開であると説明した。

ロスアトム社は昨年フィンランドで、プロジェクト会社の株式34%購入を提案して、ハンヒキビ1号機の建設契約を獲得。これに続いてハンガリーでは今年2月、100億ユーロの融資提供を条件にパクシュ原発5、6号機増設計画への参加を取り付けた。また、昨年9月には英国政府と原子力平和利用分野での協力了解覚書に調印。同時に、ロシア型PWR(VVER)を英国で建設する可能性評価で、同国のロールス・ロイス社と協力合意に達している。


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