チアンジュ3の定検日程を調整 ベルギー

ベルギーで稼働する7基の原子炉すべてを操業するエレクトラベル社は24日、来年3月14日からチアンジュ原子力発電所3号機(PWR、109.3万kW)で予定されていた定期検査の開始日を10日間先送りし、同月24日から5月12日までに調整すると発表した。

冬季が完全に終了し、春に移行するまで暖房用の電力を確実に供給するのが目的。その代わり、今年12月25日から年頭3日までのクリスマス休暇期間は需要が低下することから、暫定メンテナンスのために同炉を一時停止することで送電システム事業者のELIA社と合意している。

同社は2012年に圧力容器からヒビの兆候が検知されたドール3号機とチアンジュ2号機について、現在、規制当局から課されていた追加検査を実施中。また、ドール4号機は今年8月、非原子力部分で発生した人為的トラブルの原因を調査中で年内の再稼働は難しい状況だ。このため同社は、チアンジュ1号機でも大規模点検の期間を2つに分割するなどの調整を実施。冬季前の安全点検は今月16日に切り上げ、残りの検査は来年6月から予定している。

ベルギーの原子力発電所が電力需要の5割以上を賄っているにも拘わらず、同国政府は福島第一原発事故後、拠出金の支払いと引き替えに古い原子炉の運転期間を10年延長するというエレクトラベル社との覚書を撤回。1975年に運転開始したドール1、2号機を40年目の2015年に閉鎖する方針を決定した。しかし、今月11日に発足したリベラル派と中道右派4党の連立政権は、故障した炉が再稼働不能の場合、安全要件の遵守を条件にこれら2基の運転期間延長を検討していると伝えられている。


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