福清5、6に「華龍1号」 中国ブランドの輸出用設計実証計画

中国核工業集団公司(CNNC)は4日、国家能源局が福建省の福清原子力発電所5、6号機に「華龍1号」設計を採用することを承認したと発表した。

建設準備作業中の両炉についてCNNCはこれまで、第3世代原子炉として同公司が開発した「ACP1000」になるとしていた。しかし、国家能源局とNNSAは今年8月、中国広核集団有限公司(CGN)が開発した「ACPR1000+」とCNNCの「ACP1000」を融合させた「華龍1号」の全体設計を承認。

ウェスチングハウス(WH)社製AP1000を国産化した「CAP1400」とともに、中国が知的財産権を有する第3世代の輸出用・独自ブランド設計という位置付けになることから、福清で着工前の5、6号機を最初の実証炉計画として建設することになったもの。また、CGNが広西省で建設中の防城港原子力発電所でも、3、4号機の設計を「華龍1号」に変更するとみられている。

「華龍1号」の安全系は動的と静的の両方を組み合わせており、安全性と性能は国際レベルに達しているとCNNCは強調。機器の国産化も進んでおり、最終的に85%の機器を国内で製造するとの考えを示している。

22基目の商業炉・方家山1が初併入

なお、CNNCは同日、浙江省で秦山T原子力発電所の拡張工事にあたる方家山原子力発電所1号機(PWR、108.7万kW)を初めて送電網に接続したと発表した。

10月21日に初臨界を達成した第2世代改良型のPWR。すでに稼働中の秦山T〜V発電所が最大でも70万kW級であることから、浙江省初の100万kW級原子炉ということになる。試運転を経て年内にも営業運転を開始すると見られており、8月から試運転中の福清1号機(PWR、108.7万kW)に次ぐ、中国22基目の商業炉になる計算だ。

方家山原発サイトでは同設計の2号機も建設中だが、1号機は2008年に着工していた。福島第一原発事故後、国家核安全局(NNSA)の要求に従い、外部災害が複数重なった場合の全ファクターを考慮するとともに、安全性レベルを促進する14項目の技術改善を行ったとしている。


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