英AMEC社が助言提供 ルーマニアの低中レベル処分場

英国を本拠地とするエンジニアリング・プロジェクト管理企業のAMEC社は3日、ルーマニアの原子力発電所から出る放射性廃棄物の処分場建設について、同国の放射性廃棄物管理庁(ANDR)に技術的な助言を提供する了解覚書に調印した。

経済省の下で使用済み燃料を含めた廃棄物の安全な貯蔵と処分を担当するANDRは現在、同国唯一の原発であるチェルナボーダ発電所(70万kW級CANDU炉2基)近郊のサリニーで低中レベル廃棄物の処分場(DFDSMA)建設を計画中。同原発からの廃棄物を長期的に管理し、国としての廃止措置戦略を策定する際に必要な支援をAMEC社から得たい考えだ。

ルーマニアでは原発以外の、放射線の工業・医療・研究利用から出る廃棄物をバイタ・ビホル低中レベル処分場で1980年代半ばから貯蔵管理する一方、チェルナボーダ原発からの使用済み燃料は6年間貯蔵プール内で冷却した後、敷地内の乾式中間貯蔵施設(DICA)で平均50年間の予定で貯蔵している。

このような高レベル廃棄物は最終的に深地層で回収不能処分する計画だが、所内で使用した防護装備や樹脂、溶剤といった低中レベル廃棄物はセメントと混合してキャニスターに封入。浅地層のコンクリート製処分室に埋設する方針である。

チェルナボーダ原発を所有する国営原子力発電事業社(SNN)は1990年代初頭、同国初の原子炉となった1号機が97年に運開する前からDFDSMAのサイト選定作業に参画。96年までに37地点の候補地を特定した後、97年にサリニーを最も好ましいサイトに選定した。

2004年になると政府当局はこの分野の責任を引き継ぐ国家機関としてANDRADを創設。後に原子力機関と合併してANDRとなる同機関は、08年に規制当局である原子力活動国家管理委員会(CNCAN)からサリニーでの部分的立地許可を取得し、サイト特性評価作業を実施済みである。


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