米B&W社が分社化へ 原子力部門は「BWXT」社に

米国のバブコック&ウィルコックス(B&W)社は5日、発電機器事業部門を同名の新会社として独立させ、その株式をB&W社の株主に分配する一方、残りの原子力・政府関係事業部門はBWXテクノロジーズ(BWXT)社と改名する方針を発表した。

同日の取締役会は、この分社化計画を全会一致で承認。米原子力規制委員会(NRC)による規制審査、その他の条件をクリアした上で、来年の夏までに新生B&W社の株式分配を完了する計画だ。

リスクの高い発電機器部門は大きな利益を生む潜在性がある一方、堅実で予測可能な政府関係事業では将来的な利益が少ない。投資家達の中にはリスクとセキュリティの面で異なる指向があることから、財政・運営面の性格が異なる両部門を切り離して一層明確な投資環境を提供し、それぞれに投資家を惹き付ける狙いがある。また、両部門の戦略的優先度に沿った資本構成を展開できる柔軟性、個別の企業として外部成長戦略を遂行する機会の拡大を理由に挙げている。

新たなB&W社は新型化石燃料発電や再生可能エネルギー発電用の技術機器を提供予定。これには様々な環境制御製品、発電・産業用サービスが含まれており、プロジェクト主導の事業が中心となる。会長兼CEOには現B&W社のE.ファーランド社長兼CEOが就任する。

BWXT社の方は政府向けの原子力機器・燃料供給が専門で、政府による複雑な施設の運営や環境復旧活動に技術・管理、サイト関連のサービスも提供。政府とのコスト折半プログラムで進めている小型モジュール炉(SMR)「mPower」の商業化や、商業用原子力産業向け精密機器やサービスの供給も同社が行うことになる。会長には現B&W社のJ.フィー会長、社長兼CEOには同事業部門のP.ベイカー社長が就任するとしている。


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