研究炉の性能向上で韓国と契約 オランダ

オランダ最古の大学であるデルフト工科大学は3日、韓国と2件の協力合意文書に調印したと発表した。オランダのウィレム=アレクサンダー国王がエネルギーその他の分野における韓国との二国間協力を加速するため、ソウルを公式訪問したのを機に結ばれたもの。調印には同国王と韓国の朴槿恵大統領が同席した。

1件目はデルフト工科大にある研究炉施設(RID)のインフラ設備を最新の国際要件と傾向に合わせて性能向上させるという「OYSTER・プロジェクト」の関連契約である。RIDの研究炉は放射線に関する革新的な研究と教育を担うなど、オランダにおける科学技術関連専門知識の中心的存在。同プロジェクトの大部分を韓国原子力研究所(KAERI)が率いる現代エンジニアリング社等の企業連合「KHC」に委託し、契約総額2360万ドルで研究炉の出力を現在の0.2万kWから0.3万kWに上昇させるとともに、低温中性子施設を併設する。韓国側ではこの契約を欧州に向けた原子力技術輸出の最初のものと位置付けている。

もう1件は科学教育分野の協力に関する両国間の了解覚書(MOU)で、デルフト工科大とKAERIの間で調印。脳研究など放射性同位元素の医学・工業利用や持続的な原子力エネルギー・システム、物質研究などの分野で研究プログラムを開発することになる。


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