担当省、環境影響評価 承認 トルコのアックユ原発計画

トルコの環境都市計画省(MoEU)は1日、同国初の原子力発電所となる地中海沿岸のアックユ原発建設計画の環境影響評価(EIA)報告書を承認した。同計画による周辺環境等への影響を審査した結果、国の規制要件を遵守しているとともに、関連法の特殊な書式にも則っていると認めたもの。事業会社は今後も2016年に初号機を着工するため、サイト許可や建設許可の取得に向けた作業を続けていく。

EIAの承認は、建設工事を請け負ったロシアのV.プーチン大統領が同国を公式訪問したのに合わせて発表された。同プロジェクトでは2020年の初号機を皮切りに、120万kW級のロシア型PWR(VVER)「AES‐2006」4基を1年毎に完成させる予定になっており、ロシアの原子力総合企業ロスアトム社の子会社であるアックユ原子力会社は昨年7月に最初のEIA報告書をMoEUに提出。しかし、書式の変更により差し戻され、アックユ社はトルコの「EIA審査特別委員会」が取りまとめた勧告や提案を斟酌した上で、今年4月に改訂版の報告書を提出していた。

当初3000ページだったEIA報告書の改訂版は付属書を含めると5500ページに達しており、メルシン地区における農業や観光業、漁業、社会インフラ等への影響調査結果を網羅。欧州やアジア諸国での原発建設に関する設計や許認可、生態学などに造詣の深い専門家が同報告書の作成に携わったほか、トルコの関連機関や高等教育機関も協力したとしている。


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