遠隔操作駆使し廃炉解体 独BW州 着手時期は利点見極め重要ドイツ・バーデンビュルテンベルグ州国際経済学術協力公社は4日、「30年にわたる原子力施設廃炉解体の経験」と題したシンポジウムを都内で開催した。 同州には、解体中のオーブリヒハイム、廃炉工程入りしたフィリップスブルグ1号機とネッカー1号機、そして2022年には運転を停止するフィリップスブルグ2号機とネッカー2号機の5基の商用原子炉があるほか、ドイツ唯一の廃炉に関する大学研究室を持つカールスルーエ工科大学などさまざまな研究開発炉や原子力関係施設等がある。 テュフズード社のC.シュピッツァー海外事業部本部長は廃炉について、即座に廃炉に着手する方法と30年ほど安全に囲い込んだ後で廃炉にとりかかる方法の2種類があると説明。すぐ廃炉とする場合には、最終処分場が現存せずその条件も決定していないことや、高線量で放射性廃棄物の量も多く、遠隔操作が必要など装置の要求条件が高いこと等、作業が困難な部分があると指摘。その一方で、現場の知識を持った作業員を確保しやすく、換気装置やクレーンなどの既存装置も老朽化しておらず稼働可能である上、放射線防護モニタリングやクリアランス手続きなどが運転時からスムーズに移行できることなどのメリットを挙げ、「それぞれの戦略による長所と短所を見極める必要がある」とまとめた。M.ウルバン教授/WAK社技術担当取締役も、適切な廃炉戦略は原子力施設の種類によるとした。 ヴェリシュミラーエンジニアリング社のC.ライヒ取締役社長は、廃炉に取り組む際には遠隔操作を組み合わせた作業が重要になってくると強調し、同社のマニピュレータ運搬システムやマスターアームつきのコントロール機器などを紹介。オーブリヒハイム原子力発電所解体での湿式切断の様子などを動画とともに説明した。 お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで |