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ABWRの規制上の正当性を評価 英国英エネルギー気候変動省(DECC)のE.ディビー大臣は11日、日立製作所がホライズン社を通じてウェールズ地方で建設を計画している英国仕様のABWR設計について、規制上の正当性を肯定的に評価すると明記した法定文書案を議会に送った。現在、原子力規制局が実施中の包括的設計審査(GDA)と同様、同設計の原子炉を英国で建設するためにクリアしなければならないプロセスの1つで、議会の承認が得られれば2020年代前半に初号機の運転開始を目指すウィルファ・ニューウィッド計画はまた一歩前進する。 このプロセスは欧州連合指令により加盟国に実施が義務付けられているもの。国際放射線防護委員会(ICRP)勧告に基づき、原子炉などの「新たな種類と形式の電離放射線利用」が英国に導入される場合、それによる社会経済的な利益全般が健康影響等の不利益を上回るかどうかを、建設前に包括的に判定する。DECC大臣はこの正当性評価の規制当局として判断責任を負っており、アレバ社製欧州加圧水型炉(EPR)とウェスチングハウス社製AP1000にはすでに、評価済みの裁定を下している。 ディビー大臣は今回のABWRに対する判断根拠について、「エネルギー供給保障の強化やCO2の排出量削減への貢献など、当該設計で発電を行う明確な必要性が存在する」と断言。これに対して、放射性廃棄物を含めて同設計の原子炉が運転期間中にもたらす放射線関連の健康影響は、放射線の全体的なレベルと比較して低く、英国の盤石かつ効果的な規制体制によって実質的に制御されると説明している。 お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで |