中間整理を取りまとめ 原子力小委 サイクルへの目配り指摘

総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会(委員長=安井至・製品評価技術基盤機構理事長)は12月24日、エネルギー基本計画の具体化に向けて6月より行ってきた議論を取りまとめた中間整理を了承した。中間整理は、冒頭の総論以下、「福島第一原発事故の教訓」、「わが国のエネルギー事情と原子力の位置付け」、「原発依存度低減の達成に向けた課題」、「原子力の自主的安全性の向上、技術・人材の維持・発展」、「競争環境下における原子力事業のあり方」、「使用済み燃料問題の解決に向けた取組と核燃料サイクル政策の推進」、「世界の原子力平和利用への貢献」、「国民、自治体との信頼関係構築」の項目からなり、総論では、「国内外に問題意識を発信し、同時に、政府の政策立案に活かすための提言」との位置付けが明記された。

また、今回の中間整理取りまとめに際して、資源エネルギー庁が10月の会合で提出した当初の案文に対し、「原発依存度低減の達成に向けた課題」の冒頭、「従前の各事業者の想定よりも早期に廃炉せざるを得なくなってきている」などとする問題意識が掲げられた上で、廃炉に伴う放射性廃棄物処分に関し、使用済み燃料が多く発生する可能性から、中間貯蔵施設や乾式貯蔵施設の建設・活用の促進に向け、貯蔵能力拡大の具体的検討を進めていく必要が加筆されている。

新増設・リプレースに関しては、委員からの主な意見として、「具体的容量について検討を進め、その方針を具体的に示さなければ、小委員会の結論として弱い」や、「放射性廃棄物処分の道筋が見えないままに新設、リプレースは必要ない」などが記された。


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