米規制委が第4巻 発行 ユッカ山計画審査の安全報告書

米原子力規制委員会(NRC)のスタッフは12月18日、ネバダ州ユッカマウンテンにおける使用済み燃料および高レベル放射性廃棄物(HLW)の深地層処分場建設許可手続きで安全評価報告書(SER)の第4巻目を発行した。NRCが定める管理上およびプログラム上の要件を同建設計画はほぼ満たしていると結論付ける内容。これによりNRCが処分場の建設を認めると示唆されたわけではないが、許認可手続きの重要部分を占めるSERの全5巻中、3巻が完成したという意義は大きい。

NRCスタッフによると、建設許可を申請したDOEの研究開発と性能確認プログラム、およびその他の運営管理・システムは、いくつかの要件を除いて概ねNRCの規制要件を遵守。具体的には、地層処分場となるエリアには採掘権や通行権など、計画を進める上で差し障りとなる法的権利が付随する一方で、DOEは当該エリアの所有権や管轄権を持っていない。また、処分場の操業時には必要と断定された水利権も保有していない、などとしている。

ユッカマウンテンで深地層処分場を建設するための許可申請はDOEが2008年に提出した。オバマ政権の指示で同申請の審査が打ち切られた2011年9月末までに、NRCスタッフはSERのうち総合的な情報を網羅した第1巻を10年8月に発行したほか、規制上の結論を含まない技術評価文書を3点発行していた。

その後の裁判所命令を受け、NRCは13年11月に残余予算の範囲内で審査作業を再開。昨年10月に発行したSER第3巻目の中では、同地が処分場として科学技術的に適地との判断を下している。残っているのは、処分場の永久封鎖前の安全性に関する第2巻、および認可の詳細に関する第5巻で、NRCは1月中にもこれら残りの2巻を完成させたい考えだ。

ただし、SERが完成した場合でも、ユッカマウンテン計画を復活させるには同計画に反対する団体らが起こした300件もの訴訟を解決するとともに、環境影響声明書の補足文書作成などが必要になるとしている。


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