ドール1、2を10年延長 ベルギー政府、安定供給策を模索

ベルギーで稼働中の原子炉7基を操業するエレクトラベル社は12月18日、営業運転開始後40年目の今年中に閉鎖が決まっていたドール1、2号機について、政府が運転期間を2025年まで10年延長する方針を表明したと発表した。

ベルギーでは03年に緑の党を含む連立政権が原子炉の運転期間を40年に制限するなど、2025年までに脱原子力を達成する政策を決定。その後の政権は09年、拠出金の支払いという条件付きでドール1、2号機とチアンジュ1号機の運転期間の10年延長を認めたが、福島第一原発事故を受け、前政権は「延長を認めるのはチアンジュ1号機のみ」との裁定を下していた。

昨年10月に発足した現政権は、電力安定供給の観点から安全要件の遵守を条件にドール1、2号機についても運転期間の延長を検討した。現地の報道によると、エレクトラベル社は「技術的には可能だが7億ユーロの大規模投資が必要だ」と述べた模様。また、法的な枠組調整の必要性を指摘したと伝えられている。

なお、同社は12月19日、蒸気タービンからの潤滑油喪失で昨年8月から停止していたドール4号機(PWR、106万kW)について、規制当局が課した追加対策を施した上で運転を再開した。3月までの厳寒期の電源確保に備えた措置。


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