患者へ配慮すみずみまで 新治療棟 グリーンやアートで心やすらぐ

2010年に完成した新治療研究棟は、医療機関には珍しく2011年のグッドデザイン賞を受賞した。また、琉球朝顔に覆われた外観は、第10回屋上・壁面・特殊緑化技術コンクールの壁面・特殊緑化部門でも受賞している。

本来は放射線遮蔽のために2mの厚さのコンクリートの壁となっており、窓もなく要塞のような建物だが、全体的に曲線を取り入れたデザインでロビー天井部からは吹き抜けの自然の太陽光がふりそそぎ、クラシック音楽の流れる空間で、患者の不安な気持ちをやわらげてくれる。

固定具で身体をしばられるため多少窮屈な思いもしがちな治療室だが、照射時間は従来の2〜3割短くなった。また機器やコード類もむき出しにならないよう患者から見えない壁面の奥にまとめられている。患者は上を見ているのでまぶしくないよう、照明にはパーテーションをつけた。

渡り廊下には47都道府県の花の色を表現したガラスアートや風の詩と題されたタペストリーなどが並んでおり、患者への心遣いの行き届いた施設となっている。


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