100基の平均利用率91.9% 米原発:2014年に高実績

米原子力エネルギー協会(NEI)は22日、米国内百基の商業炉による昨年1年間の暫定的な運転実績をとりまとめ、平均設備利用率が過去最高レベルの91.9%に達するなど、同国の原子力発電所が電力供給の信頼性と安定性に寄与するとともに国家経済に貢献していることを改めて実証したと発表した。

国内の31州で稼働する原子炉は昨年末に1基閉鎖されて99基になったが、NEIによると100基が昨年中に発電した電力量は7984億kWhと過去6番目を記録。これまでの高記録としては、10年に原子炉104基による発電量8069億kWh、年平均利用率90.9%という実績があるとした。

NEIのM.ファーテル理事長は、「こうした実績は米国原発の良好な稼働が国のエネルギー供給保障と経済、および国民の生活の質向上にいかに重要であるかを明確に示した」と指摘。これらの原発が高い安全レベルで運転を続け、米国社会と経済が頼りとするに足る十分な電力を生み出している点を強調した。

NEIはまた、原発の価値は異常気象時に一層拡大すると指摘。8日に寒波が東部地域を冷え込ませた折、原発は設備容量をはるかに超えるレベルで当該地区の電力市場で電力需要の相当量を賄ったとした。実際、ワシントンDCおよび北東部5州の人口密集区域において、原発は総発電設備の19%しか占めていないにも拘わらず、同地区の電力市場で需要量の27%を供給したとしている。

NEIはさらに、米国原発がその良好な利用率により、国内全体の設備容量に占める割合は10%程度に過ぎなくても、過去20年間にわたって国内の年間総発電量の5分の1を発電してきたと強調している。


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