原子力分野の連携強化で合意 中国と仏国

中国は1月29日と30日、民生用原子力開発の初期に導入技術の提供を受けた仏国と、原子力分野における長期的な連携の強化で複数の新たな協力文書を交わした。仏国のM.バルス首相の訪中に合わせて調印したもので、両国の関連企業が相互に利益を得る形で合意に達している。

仏電力(EDF)の協力でアレバ社製欧州加圧水型炉(EPR)を2基、広東省・台山で建設している中国広核集団有限公司(CGN)は29日、EDFと既存炉用エンジニアリング支援と原発運転経験の共有で戦略的連携の一環となる新たな契約を締結した。原発の安全性を最高レベルに保つとともに、両国間の関連手続き・基準の整合性を維持するのが目的だ。

EDFのJ.‐B.レビィ会長兼CEOは、「新しい合意に基づき新しい共同プロジェクトの基盤が築かれる」と明言。バルス首相の中国滞在中にCGN、および中国核工業集団公司(CNNC)の幹部達とさらなる会合の場を持ち、中国の今後の原発新設プロジェクトに参加する可能性について協議予定であることを明らかにした。

翌30日にはCNNCが仏アレバ社と、中国における使用済み燃料輸送と物流システムの開発で合弁事業体の設立に関する了解覚書に調印した。

ここではアレバ社が関連経験や専門的知見、技術などをCNNCに提供する一方、中国で確実な成長が見込まれる関連市場へのアクセスを獲得。両社の最終目標は、車両や鉄道、船舶を使った使用済み燃料輸送でこの合弁事業体をCNNCのサプライヤーにすることだと説明した。


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