医療被ばく線量の最適化へ 放医研 病院と連携 CT装置から自動収集

放射線医学総合研究所は1月30日、放射線診断による医療被ばく線量の適切な低減に向け、医療機関やメーカーと連携し、CT装置などの画像診断装置から医療被ばくに関する情報を自動収集しデータベース化するシステムを稼働させたと発表した。

放医研ではこのほど、同所とGEヘルスケア・ジャパンのそれぞれが開発した情報収集ツールを用いて、東北大学病院と大阪警察病院のデータ収集を開始しており、さらに3機関からも情報収集を行い、1施設ごとにおよそ4000検査分、半年後には計2万件余りのデータ収集を見込んでいる。放医研による情報収集ツールは、接続先となるメーカーや製品に依存せず対応できる仕様で、イメージ化されている被ばく線量に関する情報を、デジタルの数値情報に変換できる機能を有するため、情報を数値データとして収集・解析することができる。

診断に影響を与えない範囲でできるだけ放射線量を低減して医療被ばくを最適化するための目標値として、ICRPでは、診断参考レベル(DRL)を使用することを勧告している。今回の取組により、客観性あるデータを大量かつ一元的に収集することが可能となり、DRLの設定に貢献することが期待される。

放医研では今後、患者個人の医療被ばく線量の管理体制へ発展させることを視野に、15年度以降は、対象医療機関を20施設程度に拡大していくこととしている。


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