4基目建設で中国との協定批准 アルゼンチン

アルゼンチンの計画投資省は3日、同国4基目の原子炉となるアトーチャ原子力発電所3号機(80万kW級加圧重水炉)を中国の協力で建設するため、昨年7月に同国と調印した協力協定を正式に批准したと発表した。昨9月にアルゼンチン国営原子力発電会社(NASA)が中国核工業集団公司(CNNC)と商業的枠組契約を結んだのに続くもので、今後は商業契約の締結や中国の金融機関から58億ドルの投資支援を受ける準備作業を進めていく。

批准のための調印は計画投資省のJ.デビド大臣と、中国国家能源局のヌル・ベクリ局長が実施。同計画では、CNNCが秦山V原発で操業する70万kW級のカナダ型加圧重水炉(CANDU6)を設計参照炉とし、必要となる技術や機器・サービス、資材等を提供する。一方、NASAは同計画の所有者兼アーキテクト・エンジニアとして準備作業から設計、建設、起動、運転までを担当。機器の7割はアルゼンチン企業が製造する予定だ。

なお、アルゼンチンはこれまでの加圧重水炉路線と並行してPWRを5基目の原子炉に採用する計画を進めており、CNNCもロシアや欧米のPWR企業と並んで予備的な有資格企業5社の1つだと明言していた。

CNNCの5日付けの発表によると、ヌル・ベクリ局長とデビド大臣は、中国の習近平国家主席とアルゼンチンのC.キルチネル大統領立ち合いの下で「アルゼンチンにPWRを共同建設するための両国政府間協力協定」に調印。これは、CNNCと中国広核集団有限公司(CGN)が双方の第3世代PWR設計を融合して開発した「華龍1号」の対南米輸出に道を拓くものだと説明している。


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