台湾電力:海外再処理で入札 年内にまず300体発送

台湾の3サイトで原子力発電所を操業する台湾電力は17日、使用済み燃料の再処理を海外委託するために入札を実施すると発表した。原子能委員会(AEC)もこの措置は放射性廃棄物管理政策における関連法規や規則に合致していると保証。今回は1200体の燃料集合体を112億5700万台湾元(約424億円)で再処理する方針で、年内にも最初の300体を出荷する計画であることを明らかにした。

台湾では行政院が策定した法規に基づき、使用済み燃料は短期的にサイト内の貯蔵プールで冷却した後、40年間乾式貯蔵あるいは海外再処理し、最終的に台湾域内で永久処分する方針。現在、2つの原発サイトで乾式貯蔵施設を計画・建設中である一方、最終処分場についても2017年を目処に技術的な実行可能性評価報告を策定し、2055年に操業開始する計画を進めている。しかし、AECは貯蔵プールの容量が来年にも満杯になる点を指摘していた。

このため台湾電力は、今後原子力発電の利用を続けるか否かに関わらず、また、原発で廃止措置や運転期間延長措置を取るにしても廃棄物の管理は必要だと強調した。再処理の海外委託は環境への影響が最小で、技術的にも成熟するなど国際社会では一般的。オランダやベルギー、スイスなどがすでに実施しており、この問題を次の世代に残さないためにも取り組む必要があるとした。

同電力としては、廃棄物管理政策の条項に準じた海外委託再処理の実行可能性を模索。まず、小規模の試験的な委託再処理で実行可能であることを証明し、台湾の長期的な使用済み燃料管理戦略に一層多様な選択肢と柔軟性を持たせたいとの希望を述べた。

また、再処理によって再利用可能なプルトニウム等が抽出されても、直ぐに台湾に戻されるわけではないと説明。将来的にガラス固化体として戻ってくる際の容量は5分の1程度で、台湾域内で最終処分することになる点を強調した。


お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで