原子力委ヒア 吉川弘之氏「科学者の助言が不可欠」 白石隆氏「原子力利用の予測可能性を」

原子力委員会は2月25日、基本的考え方について、吉川弘之・科学技術振興機構研究開発戦略センター長からヒアリングを行った。

同氏は、米国や英国の科学顧問などの例を挙げて、原子力を始めとする全ての政策には科学者の助言が不可欠であると強調。その上で、科学者コミュニティが能力を結集した「合意した声」としてまとめていくことが重要だと指摘し、日本は政府と科学者との間で信頼が醸成されていないが、今後、科学顧問とともに、中立的な公的シンクタンクが必要なのではと提案した。

また、同26日には、白石隆・政策研究大学院大学学長からヒアリングを行った。

同氏は、原子力発電の意思決定において、原子力安全のテールリスク水準やエネルギー・ミックス比率について、政府が決定していない状態が続いていることを指摘。この状態によって事実上、エネルギー選択の余地が狭まってきていると警鐘を鳴らした。

また、原子力人材確保の面などからも今後の原子力利用の予測可能性を上げていくべきとし、原子力発電ばかりでなく医療やナノテクノロジーなどにおける原子力利用についても提示しながら理解を求め、中国等の原子力発電所新設状況など国際的趨勢にも目を向けていくことが重要だとしている。


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