月城1の運転延長 承認 韓国 原子力安全委が票決

韓国原子力安全委員会は2月27日、30年間の設計寿命期間を終えて2012年から停止中の月城原子力発電所1号機(PHWR、67.9万kW)について、運転期間の10年延長を認める判断を下した。認可満了後、2年以上が経過していることから、実質的な延長期間は約7年になると見られている。

同炉の継続運転に関しては安全規制の専門機関である韓国原子力安全院(KINS)が審査。同炉が原子力安全法令の技術基準を満たしており、運転を10年延長しても安全性に問題はないと結論付けていたほか、福島第一原発事故後、大規模な自然災害に関して実施したストレステストでも対応可能との結論が出ていた。安全委は同日、約14時間におよぶ議論の末、延長に賛成する委員7名が票決により決定。野党の推薦委員2名は票決を拒否して退場したとしている。

韓国では国内最古の古里原子力発電所1号機が07年に30年の運転期間を満了したものの、10年の期間延長が認められて現在も稼働中。同炉に次いで古い月城1号機は1978年に着工した後、83年から営業運転を開始した。12年11月20日に運転期間が満了したが、事業者の韓国水力・原子力会社(KHNP)は2009年に期間の延長を申請。機器の寿命や放射線による環境影響などの審査に加えて、同炉を韓国初の閉鎖炉とするかについて協議が行われていた。

安全委の票決に先立つ24日、KHNPは審議状況に関する地元説明会を開催。住民代表から「技術的な安全性だけでなく崩れた地元住民との信頼回復が優先だ」との見解も示された。


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