米規制委:ユッカ処分場計画審査で 環境影響評価書を補足

米原子力規制委員会(NRC)は12日、ネバダ州ユッカマウンテンにおける使用済み燃料深地層処分場の建設許可審査の一環として、米エネルギー省(DOE)が2008年に提出した環境影響評価書の補足文書(SEIS)を作成すると発表した。NRCは同審査の活動を11年9月末に終了していたが、13年8月の連邦巡回控訴裁判所命令により、残余予算の範囲内で同年11月から審査を継続中。処分場計画の承認に直接結びつくものではないが、NRCスタッフは来年の春にSEISを完成させるとしている。

SEISの作成は今年2月、NRCがスタッフに指示していた。NRCスタッフの審査によると、DOEの環境影響評価書(EIS)は処分場に関わる地下水の影響すべてに適切に取り組んでいなかった。このためNRCはSEISの策定を13年にDOEに要請していたが、DOEはその代わりとして関連の技術報告書である「処分場閉鎖後の地下水影響の解析」を改定。今回NRCスタッフは、この技術報告書を反映させてSEISを作成することになる。

具体的には、処分場の汚染物質が処分場サイトの主要な帯水層に到達する可能性について評価を行う計画。潜在的な汚染の度合い、水と汚染物質の挙動を分析する。また、汚染された地下水から土壌や地表の物質、近隣環境がどのような影響を受けるかの議論を含めるとしている。

NRCスタッフはこの夏の終わり頃にもSEIS案文をパブリック・コメントに付すほか、ネバダ州とNRC本部で合計3回の公聴会を開催予定。集まったコメントを斟酌した上で最終版を発行する考えだ。

ユッカマウンテン計画の建設許可審査では、1月下旬にNRCスタッフが技術的な安全審査を完了。全体的な結論としては、DOEが処分場建設エリアの所有権や管轄権、水利権に関する要件を満たしていなかった点から「建設を承認すべきでない」との勧告を安全性評価報告書(SER)の最終巻に含めていた。


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