防火見回り義務違反に制裁金 米規制委

米原子力規制委員会(NRC)は11日、テネシー州のセコヤー原子力発電所(120万kW級PWR2基)で契約作業員が防火見回り点検義務を怠るなど2つの違反行為を行っていた件について、7万ドルの民事制裁金を事業者のテネシー峡谷開発公社(TVA)に課すと提案した。

NRCの調査によると、同原発では2012年10月から11月にかけて、防火機器がメンテナンス中という点検必須エリアでの防火見回りを契約請負作業員が何度も怠った上、監督員と共謀して見回り業務が完了したかのように装う記録を残していたという。

見回りが行われなかった時間帯に当該エリアで火災は発生しておらず、これらの違反が安全上、実質的な影響を及ぼしたわけではない。しかし、NRCの第2地帯担当官はこの業務について、「その他の防火機器が一時的に使用不能となるかもしれないエリアでは特に、防火戦略全体における重要な部分だ」と指摘。見回りの不履行による潜在的な影響に懸念を表明した。こうした違反の重大性に鑑み、NRCスタッフは7万ドルの民事制裁金が適切との判断を下したとしている。

なお、TVAは今年1月にNRCに宛てた書簡の中で、当該請負会社との契約を打ち切るなど、同社がすでに取っている是正措置について説明したほか、再発防止計画を策定したと明言。NRCではTVAの取り組みを確実なものとするため、それらの措置を点検する予定である。また、TVAは今後30日以内に制裁金を支払うか、異議を申し立てるか決めることになる。


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