[原子力産業新聞] 2015年3月19日 第2759号 ＜4面＞

植物への放射能抑制　理化学研　Ｃｓ耐性高める化合物

理化学研究所の研究チームは５日、植物の高濃度セシウムに対する耐性を高める化合物「ＣｓＴｏｌｅｎＡ（シストレンエー）」がセシウムに選択的に結合し植物への取り込みを抑制することを明らかにしたと発表した。

福島第一原子力発電所事故で放出されたセシウム１３７は半減期が３０年と長く、被災地の営農再開の課題となっている。

研究チームでは、約１万種の化学物質を分析し、セシウムに対する耐性を高める化合物として５種を選びぬき、それぞれの化合物で処理した植物に含まれるセシウム濃度を分析した結果、シストレンエーに植物体内のセシウム蓄積量を著しく低下させる効果があることがわかった。また、土壌の実験でも、効果が確認されたため、今後、シストレンエーが農作物への移行を低減する技術として期待される。

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