近畿大学 効率的なCs除去法 多孔質金属パネル利用

近畿大学の井原辰彦工学部教授らの研究チームは19日、汚染水から放射性セシウム等の放射性物質を効率的に取り除く方法及び装置を開発し、特許出願を行ったことを発表した。

劇場の吸音材等に利用されている汎用的で安価な多孔質金属パネル(空孔率48%)に着目し、これを応用して装置を開発、汚染水に含まれる放射性金属イオンを電気化学的に吸蔵し固着させることから、高い回収率で、しかも長期安定保存が可能な状態で放射性物質を取り除くことができる技術を開発した。

高い回収率の実現とともに、高濃度汚染水の処理、大規模汚染処理にも優れた除染効果を発揮する。また、回収した放射性物質による2次汚染を防ぐことができる。さらに簡単かつ便利な装置(方法)のため、低コストでの除染処理が可能。

今後、近畿大学が全学をあげて推進している「“オール近大”川俣町復興支援プロジェクト」において、川俣町を中心とした除染作業に活用することを目指す方針。また、この開発成果を応用すれば、除染後、電解槽から取り出した電極を粉砕して容器内に充填し、加熱・加圧することで、堅固化した状態での保管が可能になり、中間貯蔵のための広大な保管場所を確保する必要はなくなるという。

現状、広大な汚染水の保管場所を要する福島第一原子力発電所の現場でも有効な技術として期待されるとしている。


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