UAE規制当局:原子力人材養成プログラムの一環で地元の新卒エンジニア採用

2016年1月18日

9名の新卒エンジニアは全員、才色兼備の女性達©FANR

9名の新卒エンジニアは全員、才色兼備の女性達©FANR

 原子力導入計画が進展中のアラブ首長国連邦(UAE)で、連邦原子力規制庁(FANR)は1月10日、同連邦の原子力部門で人的資源を長期に維持していく戦略の一環として、連邦内の大学を卒業したばかりのエンジニア9名をスタッフとして迎え入れたと発表した。これにより、FANRに所属する連邦出身のエンジニアと保健物理学者は34名に到達し、このうち26名は原子力分野の修士号と博士号の保持者。新卒スタッフは今後、原子力エンジニアリングと規制に適用される技術概念の理解に必要な、基本的な知識が身に付くプログラムを1年にわたって受講することになる。

 新人向けプログラムは技術と意思疎通に関わる両方の能力開発を組み合わせており、まず、2週間にわたるFANRへの適応プログラムと原子力工学の入門コースで始まる。第2部として、アブ・ダビのカリーファ大学における13週間の集中原子力基本コースが組まれており、新人達は「安全、セキュリティ、保障措置」という原子力の3S原則を集中的に学習。次いで、8週間の業務ローテーションを4回経験した後、国外研修として稼働中原子力発電所の中央制御室シミュレーターで基礎説明を受けたり、廃棄物の貯蔵サイトも訪問する。

 カリーファ大で機械工学の学位を取得したばかりのファティマ・アルハマディさんは、「将来的な発電を石油のみに頼らなくて済むなど、原子力はUAEの明るい未来を示している」とコメント。FANRのプログラムは、自分のような人間がUAEのエネルギー供給目標を達成するための一助となる重要な機会だとの思いを明らかにした。