リトアニア:建設中の使用済み燃料中間貯蔵施設でコールド試験開始
リトアニアで閉鎖済みのイグナリナ原子力発電所の廃止措置を担当する「国営企業イグナリナ原子力発電所(SE-INPP)」は1月19日、発電所隣接区域で建設中の使用済み燃料中間貯蔵施設(ISFSF)について、使用済み燃料取り扱い機器のコールド試験を開始したと発表した。同試験は原子力発電安全規制局(VATESI)から操業許可を取得する条件の1つとなっており、これを6月末までに完了した後、2017年夏までに実廃棄物をつかったホット試験を実施。同年秋にも操業を開始する計画となっている。
イグナリナ原子力発電所はチェルノブイリ原子力発電所と同じ黒鉛チャンネル型炉(LWGR)であったため、リトアニアの欧州連合(EU)加盟と引き替えに2009年までに2基(各150万kW)とも閉鎖された。その後両炉では、欧州委員会(EC)と欧州15か国が資金供給し欧州復興開発銀行(EBRD)が管理する「イグナリナ国際廃止措置支援基金(IIDSF)」からの財政支援により、廃止措置作業が進展中。「B1プロジェクト」と呼称されるISFSFの建設作業はドイツのNUKEM社が請け負った。
ISFSFのコールド試験プログラムはVATESIが承認済みで、すべての機器類が設計通りに機能し、リトアニアの国内要件を満たしているかをチェック。実廃棄物を使用しない一方、実際のキャスクの1つを貯蔵プール建屋内にあるサービス・ステーションに輸送し、使用済み燃料の封入準備、ダミー燃料の封入、封印、および漏洩試験を行うほか、貯蔵施設への輸送準備といった全工程をリハーサルするとしている。