中国:台山1でコールド機能試験が完了、世界初のEPRとして2017年に起動へ
中国広核集団有限公司(CGN)傘下の台山原子力発電合弁会社(TNPJVC)は2月1日、広東省の台山原子力発電所建設サイト(=写真)で1号機(PWR、175万kW)のコールド機能試験が完了したと発表した。仏アレバ社の第3世代プラス設計である「欧州加圧水型炉(EPR)」を採用した同炉の試験は昨年12月30日に始まり、今年の1月27日までに正式に終了したもの。これ受けて27日に開催した年次記者会見では2017年前半にも起動すると発表した模様で、実現すれば、同じ設計で先に着工したフィンランドのオルキルオト3号機(OL3)とフランスのフラマンビル3号機(FL3)を抜き、世界初のEPRとなる見通しだ。同炉の建設工事は、CGNとフランス電力(EDF)が7対3の割合で出資するTNPJVCが2009年10月に開始。翌2010年には同2号機も着工しており、アレバ社との契約総額は80億ユーロ(約1兆円)にのぼると言われている。コールド機能試験については、国家核安全局(NNSA)が昨年12月21日から24日までサイトで同炉の状態を検査した結果、同月29日に実施を許可。翌日から、原子炉冷却系に加えて補助システムや配管、その他の機器システムについて機能の確認が行われた。
EPR採用炉としての本格着工はOL3の2005年が世界初であり、当初は2009年の完成が予定されていた。しかし、フィンランドとフランスの許認可方式の違い等によりコンクリート打設や機器の製造に遅れが生じ、最新の日程では2018年の運転開始が見込まれている。また、フランス初のEPR採用炉であるFL3でも、土木エンジニアリング作業の見直しや原子炉容器での追加試験実施などで起動予定日は2018年第4四半期にずれ込んでいる。