スペインの2社:燃料の点検機器・システムで中国における事業展開拡大

2016年2月8日

©ENUSA

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 スペインのウラン公社(ENUSA)、および機器点検その他の原子力エンジニアリング・サービス会社であるテクナトム社は1月28日、原子力発電所用の燃料の点検機器・システムに関する協力で、中国広核集団有限公司(CGN)傘下の蘇州熱工研究院有限公司(SNPI)と枠組協定を締結したと発表した(=写真)。CGNは現在、中国で稼働する商業炉30基のうち16基を所有するほか、11基を建設中。国外では英国とルーマニアの原子力発電所建設計画に参加を決めるなど、意欲的に事業を展開していることから、スペインの2社は両社で共同開発した燃料点検機器・技術がCGNに導入されるよう、SNPIを交えた3社で協力していくことになった。

 スペインの2社は、すでに2014年からSNPIとの協力を開始。この時の合意に基づき、2015年には照射済み核燃料の超音波検査システム「SICOM-UT」を広東省大亜湾にあるSNPI施設に供給した。両社はまた、中国のもう1つの大型原子力企業である核工業集団公司(CNNC)が宜賓市で所有する核燃料工場に対し、製造段階で燃料の品質管理が可能な機器を数か月前に納入。今回の協力枠組協定を通じて、両社は中国原子力市場における事業をさらに拡大していく考えだ。