ベルギー:ドール1、2号機の運転期間延長でIAEAが2017年にピアレビュー実施へ
ベルギー連邦原子力規制局(FANC)の2月9日付けの発表によると、運転期間の10年延長が決まっているドール原子力発電所1、2号機で「長期運転の安全面に関するピアレビュー(SALTO)」を2017年2月に実施するため、国際原子力機関(IAEA)の準備ミッションが1日から9日まで同発電所を訪問した。ベルギー政府とFANCの要請により、SALTOで参照される枠組を設定するために行われたもの。事業者のエレクトラベル社は、SALTOが実施されるまでの1年間で、改善が必要と指摘された部分に本格的に取り組む考えだ。
ベルギーでは2003年の脱原子力法により原子炉の運転期間を40年に制限しており、ドール1、2号機は2015年1月と12月にそれぞれ40年の運転期間を終えて停止した。しかし、両炉を含む国内の原子炉7基は総電力需要の46%を賄う重要電源であることから、現政権は2014年末に両炉の運転期間の延長方針を決定。2015年12月には、FANCが両炉を2025年まで継続運転することを承認した。
SALTOサービスではIAEAの国際的な専門家チームが、経年化した電気機器や土木エンジニアリング、人的資源と知識の管理、内部の組織といった目標テーマ毎に、IAEAの安全基準や国際的な慣行に照らし合わせて評価を行う。今回の準備ミッションで専門家チームは、ドール1、2号機の設備が良好な状態にあるとしてエレクトラベル社を称賛する一方、長期の運転期間全体にわたる経年化管理で組織構造を改善すべきだと指摘。また、経年化管理を継続的に改良するプロセスが不十分だとしたほか、長期の運転期間中に必要となる有能なスタッフを確保すべきだと言明した。