米エンタジー社:フィッツパトリック原子力発電所の正式閉鎖日を決定
米国の大手原子力発電事業者であるエンタジー社は2月18日、ニューヨーク州で所有・運転中のJ.A.フィッツパトリック原子力発電所(87.9万kW、BWR)の正式な閉鎖日を2017年1月27日に決定したと発表した。同炉は稼働実績が良好であるだけでなく、2034年まで合計60年間の運転を認可されているが、エンタジー社は2015年11月、現行の燃料サイクルが終了する2016年末から2017年初頭にかけて早期閉鎖する方針を表明。同社はその1か月前、マサチューセッツ州で運転するピルグリム原子力発電所(71万kW、BWR)についても2019年6月までに早期閉鎖すると発表しており、いずれも供給地域におけるエネルギー価格の下落や偏った電力市場構造が、単機構成の原子力発電所の収益を大幅に悪化させている点を理由に挙げていた。それでも同社が全米6州で運転する原子炉は、管理サービスを提供中のクーパー発電所を含めて9基、950万kWに及んでおり、今後も低炭素で信頼性も高く、供給構造の多様化にも貢献する原子力発電を継続していくと断言した。
1975年に営業運転を開始したフィッツパトリック発電所の閉鎖日程は、2015年の第4四半期および年間の収支報告の中で明らかにされたもの。同発電所では600余名の従業員を雇用していることから、閉鎖に伴う福利厚生の保証に最善を尽くすとしたほか、40年以上にわたって同発電所の運転を支援してきた地元コミュニティへの謝意を表明している。