ドイツ:ネッカーとフィリップスブルクの両サイトで廃止措置インフラの建設許可
ドイツのEnBW社は2月22日と23日、福島第一原子力発電所事故を受けて2011年に閉鎖したネッカー原子力発電所(GKN)1号機とフィリップスブルク原子力発電所(KKP)1号機の廃止措置にともない、必要となるインフラ施設の建設許可を地元バーデン=ビュルテンベルク州ハイルブロン地区事務所から受領したと発表した。それぞれのサイトで建設するのは、廃止措置作業で発生する残留物質の処理センター(RBZ)と放射性廃棄物の中間貯蔵施設(SAL)、および管理棟で、どちらも2年半で完成する見通し。EnBW社では原子力発電所の早急かつ効率的な解体には、これらのインフラ施設が欠かせないと説明している。EnBW社が両サイトで廃止措置インフラ施設の建設許可を申請したのは2014年3月のこと。それぞれ1万平方メートルの建設エリアにおける敷地準備の初期作業はすでに始めており、今後数か月間で地盤の掘削を実施することになる。GKNには1号機(84万kW、PWR)と2号機(140万kW、PWR)が立地しており、閉鎖した1号機本体の廃止措置許可は今年後半の発給が見込まれる一方、2号機は2022年まで稼働が許されている。また、KKPでは閉鎖済みの1号機(90万kW級BWR)のほか、2019年に閉鎖予定の2号機(140万kW級PWR)が稼働中で、KKP1の廃止措置許可もGKN1と同様、今年後半に発給されると見られている。
RBZでは、放射性廃棄物の容量をできる限り削減するための処理を実施する。これにより、高レベル放射性廃棄物と見なされる物質の量は全体の1%程度になる計算で、残りの低中レベル廃棄物は最終的にコンラッドの処分場で処分するとした。しかし、同処分場は現在設置準備中であり、完成が間に合わない可能性もある。また、両サイトにある既存の一時貯蔵施設では容量が不十分であるため、追加施設としてSALを建設する方針。EnBW社によると、RBZとSALの建設にともなう潜在的な環境影響は、大手環境シンクタンクのエコ研究所がEnBW社とともに広範囲に評価しており、重大な影響は出ないとの結論が出たことを明らかにしている。